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私の中学生の頃の理科の教科書の最初に、薔薇の写真と共に
「薔薇の木に 薔薇の花さく なにごとの不思議なけれど」
と言う言葉があった。
先生の解説が、
『薔薇の木に薔薇の花が咲くのは 当たり前でなにも不思議ではないが、毎年同じように咲くのは不思議なことだ。
当然のことと思わず、「何故」と一歩踏み込んで考えることが大切だ。』
と言うものだった様に記憶している。
後年、何かの機会にこの言葉は北原白秋の詩であることを知った。
バラの花をみて種の起源に思いを至らせるのは、詩人の鋭い感性だろうか。
80歳になろうという今まで、何故覚えていたのかは分からないが、何故か気になる詩である。
〔元の詩〕
薔薇二曲 北原白秋作 (詩集「白金ノ独楽」)
一
バ ラ
薔薇ノ木ニ
薔薇ノ花サク。
ナニゴトノ不思議ナケレド。
二
薔薇ノ花。
ナニゴトノ不思議ナケレド。
キハ
照リ極マレバ木ヨリコボルル。
光リコボルル。