鎌薙ぎを歩く

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丸盆山~鎌薙ぎの頭~不動岳~六呂場山

2008年10月11日~13日 
パーティー:尾崎隆ガイド他同行者1名 天候:晴れ

南アルプスの深南部、天竜川の上流に「鎌薙ぎ」と呼ばれるナイフリッジの脆い稜線がある。”メクラ蛇に怖じず”で、他の人が行っているのだから行けるだろうと考えて出かけたが、本当の厳しさは現地へ行って知った。
1日目(10月11日)
10時30分JR浜松駅に集合、ガイドの車で走ること3時間、日蔭沢林道の戸中ゲートに着く(13時30分)。林道の途中から鎌薙ぎの頭が展望され、明日の闘志を掻き立てられる。
ゆるい勾配の平坦な林道6.5kmを途中10分くらいの休憩をはさんで15時10分キャンプ地(旧林道分岐点に到着)。テントを設営した。
日蔭沢林道 戸中ゲート 林道から見た鎌薙ぎの頭 キャンプ(旧林道)
2日目(10月12日)
等高尾根から丸盆山へ
4時50分出発、黒法師山、丸盆山登山口から登りはじめる。樹林帯の中の急登が2時間以上続き、約2時間40分で等高尾根の黒法師山分岐(7時35分)に到着し丸盆山に向かう。約1時間で丸盆山(2066m)に到着(8時37分)。10分間休憩後鎌薙ぎに向かう。
等高尾根のジャンクションより見た黒法師山 等高尾根から見た丸盆山(右)と鎌薙ぎの頭                       丸盆山頂上                              
鎌薙ぎへ
9時50分鎌薙ぎに取りつく。10時55分約1時間で鎌薙ぎを渡り終えた(10時55分)。ガイドのOzさんに安全確保の処置をしていただいたがロープを水平に張るしかなく、安全確保と言うには心もとないものであった。足もとのガレは容赦なく崩れ、取りつく岩も浮いているものが多く緊張の連続である。ガイドのOzさんは元プロ登山家でヒマラヤ登山の多数回経験した方であり注意を守ることで安全を確保した。
鎌薙ぎ 鎌薙ぎ中間点 もう少しで鎌ぎを渡り切るぞ
鎌薙ぎの頭~鹿の平~不動岳
鎌薙ぎの頭(2075m)には約15分で着いたが、標識のない樹林の中であった(11時10分~20分)。鹿の平へ向かう道は背の高い笹で覆われているところが多く、笹をかき分けてゆくにはかなりのエネルギーを消耗した。鹿の平は美しい低い笹の原であった(11時50分)。不動岳へは約1時間笹の藪こぎが続いた。道が見えなく、また倒木が多いため足をとられ転倒することが多かった。不動岳は今回の縦走中の最高峰(2117m)であり、頂上には標識も整備されていた。(12時50分~13時10分)。
鹿の平(きれいな笹原) 不動岳頂上にてガイドの尾崎さんと 不動岳頂上
鹿の平から六呂場山へ
再び鹿の平へ戻り、六呂場山へ向かうが、最近は行く人も無いようで標識もなく道が判らない状況であった。ガイドのOzさんがルートファインディングしてくれようやく行くべき方向が定まった。
六呂場山へは長い下りの道であった。勿論道は整備されておらず、古い踏み跡を探して歩く状態であった。2万5千分の1の地図が頼りであるが、目印もなく不安を抱えながらの山行となった。このころになると、等高尾根への登り途中で転倒したときのすねの痛みや、笹藪の藪こぎで消耗した体力で次第にOzさんにおいて行かれることが多くなった。Ozさんは、ルートハンティングに余念がなく、先へ先へと進んで行かれ、我々2人はおおよその見当で追いかける展開となった。それでも途中のピークや方角などから六呂場山の頂上(1762m)を確認できた(15時3分~7分)。頂上は荒れており、もちろん標識はなかった。下山道が見当たらないことから、迫ってくる時間が心配になり、夢中で下りはじめた。Ozさんの適切な判断で道なき道を駆けおりようやく林道に降りたつことができた(16時30分)。しかし、林道は岩の崩落が激しく、降りた地点からキャンプ地までには約5か所の崩落地点をトラバースすることになった。テントへは17時30分到着した。
六呂場山頂上 林道崩落地点 林道崩落地点
3日目(10月13日)
6時50分テントを出発し8時10分ゲートへ到着した。その後Ozさんの車で秋葉ダムの付近にある保養施設「やすらぎの湯」に入浴、12時30分JR浜松駅まで送っていただき解散した。