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茂宮川は高鈴ゴルフ場下付近を水源として、日立港にて太平洋に注ぐ川で、常陸太田市から日立市に至る全長約15kmと短いながら一級河川である。河口は広く大河の趣がある。私は時々この川の付近を散歩する。
河口付近
河口 LNG基地 新茂宮川橋
以前は久慈町地内でL字型に曲折していた久慈川に合流し久慈町の海側を通り太平洋に注がれていたが、昭和50年(1975)久慈川が直に太平洋に注ぐ様に付け替えられたため、茂宮川も直接太平洋に注ぐ事になった。河口沖に沖堤防が見え、左岸右岸とも埠頭になっているから日立港内に注ぐという方が正しいかもしれない。
茂宮川河口の川幅は広く左岸側が日立港第四埠頭で、旧日立電線みなと工場などがある。この工場には海底ケーブルを製造し、完成した製品を工場の横に工事船を直付けして船積み出来る設備があったとの事である。右岸側は日立港第五埠頭で3カ所位の船溜りがあり、釣り船の店もあって平日でも釣り人が多く見られる。
第五埠頭突堤の先端にはLNG基地があり、LNG基地の南側は久慈川である。
茂宮新橋付近
左:茂宮新橋下から風神山を望む 右:茂宮新橋から河口方面を望む
河口に最も近い橋が国道245号の新茂宮川橋である。この辺りの右岸には木材の集積場がある。左岸には老人施設や五瀬鹿島工業団地が有り、以前は山裾を日立電鉄が走っていた。
次が旧国道293号と新国道293号を結ぶ通りの茂宮新橋である。久慈町の割山地区からカインズホームの裏側に通じる道で、常磐線の鉄橋と平行して架けられている。私はこの橋付近の景色が好きで何度かスケッチした事がある。この橋の下流にはレジャーボートが何台も係留されているのが見られる。茂宮新橋右岸から河口方面を望む風景や、ボートを近景に、茂宮新橋と常磐線の架線支柱を中継に、風神山を遠景にした風景は面白いと思う。
この付近から上流に向かって堤防の護岸工事が進んでおり、散歩しやすくなったものの風情が殺がれたようである。午後3時~4時頃堤防を歩いていると満ち潮で海水が上がってくるのが見られる。そんな中に鴨がゆったりと泳いでいるのも風情があって良いものだ。
南高野橋までの右岸はカインズホームと日立南工業団地である。東日本大震災の時には遡上した津波が工業団地の中へ流れ込み、しばらくは道路に堆積物が残っていた。
南高野橋付近
左:南高野橋(上流側から) 右:落ち見川樋門(ひもん)上屋
その上流が日立市の石名坂から国道6号の那珂市の孫目十文字を繋ぐ新道に架かる南高野橋である。国道6号のバイパスで通過車両も多い。この直ぐ上流右岸に落見川の合流地点がある。
落見川の合流で堤防が切れるので、落見川を暗渠で合流させるため樋門が設けられ今その上屋新築工事が行われており間もなく完成の姿が見られる(2020年5月時点)。
落見川は常磐道の日立南・太田IC付近までの短い川であるが今後茂宮川の水位が上がった時の調整池が設けられるとの事である。この辺りから堤防の内側に大きな樹木が見られる。又、葦が茂っており昼間散歩すると取りの声が賑やかである。落見川の合流を過ぎると水の流れは次第に狭くなってくる。右岸は護岸が未完成の部分が多く堤防の下の径を歩くことになる。左岸には旧国道293号を挟んで南高野貝塚公園があり散歩には快適である。この上流は郡長橋で有る。
郡長橋の上流
郡長橋 管路橋 清水橋 R6に架かる橋 R6付近の河原 岸辺の菜の花畑
郡長橋の上流100m位で護岸工事は一旦切れているので左岸を散歩する時は一旦旧293号に出る。その上流の清水橋に出る前に管橋が有る。2本の水道管と思われる管が渡されている。清水橋の上流右岸は護岸が可成長い距離で出来ているが、左岸は橋の詰めの護岸工事中である。
この付近の堤防は春の頃菜の花が群生し見応えがある。河川敷は左岸、右岸とも葦が茂っておりその先は急に川幅が狭くなっている。
常陸太田市内の流れ
無明の橋 亀作川の合流 幡町付近 長谷町付近
国道6号の下を通り抜け、お米屋さんの前のT字路を通る道には無名の橋がある。
その上流は常磐道の下を通り下流から見て左へ曲がっている。この付近まで来ると田園地帯である。常陸太田市の直売所「せやの径」の脇を通る亀作川とその直ぐ南で合流する。この先は田園地帯で辿りにくく、次に見られるのは常陸太田市の新しく出来た国道293号バイパスと交差する辺りである。その先は高貫町、幡町のグランドスラムゴルフ場の後背地に当たる長谷町付近を通っているが、護岸や堰があったり藪に覆われたりしており流れがある事は分かるがその先は辿れなかった。機会があったらたどって見たいと思っている。地図でも明確では無く、白羽根町の高鈴ゴルフ場の下辺りが水源では無いかと思われる。
機初団地に車を置いて散策する事もある。山間の家の風景もスケッチには好適である。
茂宮川流域図